「まだら認知症」という、ちょっと変わった名前の認知症をご存知でしょうか。
一般的には、「記憶力の低下が目立つのに、理解力や判断力はしっかりしている状態」とされています。
それだけでは少しわかりにくいかもしれませんが、記憶力の低下の仕方にも特徴があります。
あるときから急に記憶力の低下が始まったり、ストンと階段を下りるように悪化したり、
日によって良かったり悪かったりする、といった傾向がみられるのです。
また、からだの機能などに、変化が起こることもあります。
たとえば、初期には頭痛やめまい、耳鳴り、手足のしびれ。
さらに、人によって、歩行障害(つまずく)、言語障害(言葉が出にくい、ろれつが回らない)、
嚥下障害(飲み込みにくい)、抑うつ(やる気が出ない)、感情失禁(些細なことで泣く、怒る)、
夜間せん妄(夜間に意識レベルが低下し言動がおかしくなる)などの症状がみられます。
記憶力の低下もふくめ、こうした症状はともすれば老化のせいと考えたり、ほかの病気と間違えたりしがちです。
ところが、まだら認知症とされる症状は、じつは小さな脳梗塞が原因で起こることが多いのです。
さらにその背景には、高血圧による動脈硬化があることもわかってきました。
まだら認知症は、早く気がつけば改善や予防が可能です。
症状や予防策について、きちんと知っておきましょう。