質の高い睡眠
規則正しく、十分に睡眠をとれば血流の状態がよくなり、血流の状態がよくなれば睡眠の質も高くなっていき、睡眠と血流の相乗効果でますます健康な体になります。
質の高い睡眠を取るための15のルールです。
①身体をあたためて眠る
睡眠中は体を温めて眠るのが効果的です。人間の睡眠中の体温は1~1.5度低下し、体温が1度下がるごとに免疫力は35%、基礎代謝能力は15~25%下がることがわかっています。つまり人間は睡眠中に免疫力がダウンし、さらに冷えによって病気にかかりやすくなるのです。
②太陽の光を積極的に浴びる
太陽光を浴びてセロトニンを分泌させることは、がんや骨粗しょう症などの予防に効果があるだけではなく、不眠症やうつ、引きこもりといった深刻な現代病の解決に効果的です。
③寝る1時間前は蛍光灯を消す
就寝前の数時間前、少なくとも1時間前から部屋をダウンライトなどに切り替え、暗くするようにしましょう。
そして、就寝するときは室内を真っ暗にすること。豆電球のような小さな光でもメラトニンの分泌に悪影響を及ぼします。どうしても心配な人は、足元だけ照らすランプなどを使用するといいでしょう。
④カーテンは10センチだけ開けて眠る
人間は、太陽を浴びて生きるようにプログラミングされているのです。ですから、カーテンを少しだけ開けておけば、太陽が昇るとともに、室内が少しずつ明るくなっていき、すると寝起きも良くなり、脳もスッキリした状態で朝から活動できるのです。
⑤昼寝をしない
昼寝は疲れたからだを休めたり、脳をリフレッシュさせる効果がありますが、そうした効果があるのは15~30分程度の短時間の昼寝に限られます。長時間になってしまうと、昼寝は逆効果ですし、夜の寝つきも悪くなります。
眠いと思ったら昼寝をしないで、目がさめるような工夫をして一時睡魔を退治するほうが賢明です。
⑥夜のシャワーはやめなさい
入浴するとき、きちんと湯船につかってください、なぜなら、シャワーの水圧による肌への刺激が交換神経を優位にしてしまうからです。寝る前に交感神経が優位になると、血流がよくならず、体があたたまりません。つまり、寝つきが悪くなってしまいます。
夜に入浴するときは、就寝前の1時間ほど前に、湯船にきちんとつかることが大切です。体をしっかりとあたためることで、手足の毛細血管の血流がよくなり、心地良い睡眠へといざなってくれます。
⑦朝食は納豆を食べなさい
大豆には、トリプトファンというアミノ酸の一種が含まれています。このトリプトファンは、睡眠を促すメラトニンの原料となる物質なので、食べることによって、メラトニンが分泌されやすくなります。トリプトファンは、ある程度時間をかけてメラトニンに変化していきますので、朝に食べるのが効果的です。
納豆のほかにもみそや豆腐などの大豆類のほかに、チーズ、魚(サバ・イワシ)、ほうれん草などにも含まれています。納豆以外でも、こうした食材を意識して食べるようにすると、メラトニンが質の高い睡眠をサポートしてくれます。
⑧晩ご飯は夜8時までに済ませなさい
食事をしたら当然消化することになります。もし食べたあとにすぐ睡眠をとると、寝ている間に消化器官が働かなければいけません。特に、肉や揚げ物は消化までに4時間かかります。ですから夕食は寝る4時間前までに済ませるのが理想です。23時に寝るのであれば19時までに、遅くとも8時までには食事を済ませておきましょう。
⑨食事は生野菜から食べなさい
代謝の悪い血液は、でんぷんやたんぱく質が十分に分解されないまま血液中に滞ってドロドロになってしまいます。このように血液の質が悪化すると、脳梗塞や脳出血など循環器系の病気になりやすい体になるのは言うまでもありません。
こうした血液を浄化し、サラサラにしてくれる働きを持つのが「酵素」なのです。 酵素は生ものや発酵食品に多く含まれ効率的に酵素を取ることができます。生野菜から食べることで、後から入ってくる炭水化物や脂質などを分解してくれるのです。
⑩今日から「おかわり」は禁物
現代人の多くは糖質過多です。5000人以上の血液を観察してきて、約9割の人が糖質過多によって毛細血管に炎症が見られました。
炭水化物は、脂質、たんぱく質と並ぶ三大栄養素ですが、注目したいのはエネルギーが使われる順番です。「糖質(炭水化物)」⇒「脂質」⇒「たんぱく質」の順にエネルギー源を消費していきます。 従って糖質(炭水化物)をたくさん摂取してしまうと、脂質がエネルギーとして燃焼せず、肥満の原因となります。 普段の食事から、糖質(炭水化物)を減らすことを心がけましょう。ご飯(米)は、腹6分目程度が理想です。
⑪冷たい水を飲みすぎない
冷たすぎる水には要注意。体を必要以上に冷やしてしまいます。のどがかわいた場合は、常温の水やあたたかい飲み物を選ぶようにしましょう。ただし、睡眠中は汗をかき体内の水分が失われて血中濃度が濃くなると、睡眠中に心筋梗塞や脳梗塞になる危険性が高まります。睡眠前と起き抜けにはコップ1杯の水(ぬるめの白湯)を飲みましょう。
⑫運動は夕方にする
運動をするなら、絶対に夕方がおすすめです。朝は自律神経がまだ不安定なので、心筋梗塞を起こす確率がかなり高まります。特に冬場は、急激な血圧所油症や血管収縮によって、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。
⑬筋トレよりも「健康ゆすり」
「健康ゆすり」というありがたみのある名がついていますが、実際にやることは、いわゆる「貧乏ゆすり」です。貧乏ゆすりには、血行を促進する働きをもっているのです。ふくらはぎは、第二の心臓といわれている部分で、足腰に滞りやすい血液をポンプのように心臓へ送り返してくれるのです、ふくらはぎの筋肉を伸ばしたり、縮めたり刺激することによって、筋肉が動き、血流を促進してくれるのです。
⑭つくり笑いをする
毛細血管の血流をよくする最も簡単な方法をお教えします。それは「笑うこと」
人は好きなものに接すると血流がよくなり、嫌いなものに接すると血流が悪くなるという性質をもっています。 最近では、笑顔には次のようなさまざまな効果があると報告されています。
●脳を刺激する
●免疫力を高める
●痛みを押さえる
●ストレス解消
●自律神経の働きがよくなる
●細胞や血管を若々しくする
不思議なことに、たとえ「つくり笑い」でも口角をきゅっと上げ続けていると、60秒後には血流に変化が現れ、90秒後には血流が早くなるという研究結果もあります。
⑮どこでもいつでも深呼吸を3回
質の高い睡眠をとるポイントは、寝る前に副交感神経を優位にすること、つまりリラックスしている状態です。
ここでは、誰でも簡単にどこでもできるリラックス法をお伝えします。 それは深呼吸を3回すること。深呼吸をすることによって、副交感神経が優位になり、毛細血管への血流量が増えリラックス効果があります。 就寝前に深呼吸をすると、心地よく深い眠りへと入っていくことができるでしょう。深呼吸をするときのポイントは、息を吐く時間を長くすること。長ければ長いほど副交感神経が優位になります。
「あたため睡眠」が日本を救う
人間なら誰しも1日の約3分の一の時間を睡眠にあてる必要があります。どうせ寝なければならないのであれば、その時間を有意義に使って、健康を手に入れてしまいましょう。