約8割の特養において取組まれている看取り対応について…

約8割の特養において取組まれている看取り対応について…

【特養】で最期を迎えた入所者が【病院】・【診療所】を上回る

高齢者の生活の場である特別養護老人ホーム。「終の棲家」と言われながら、かつては終末期になると退所し、病院で最期を迎える人がほとんどでした。

しかし、近年は入所先で最期を迎える人が増えています。看取りに対応している特養は約8割を占め、201610月に亡くなった特養入所者のうち、施設内で最期を迎えた人は約6割を占め、病院・診療所で亡くなった人を上回るようになりました。

常勤医の配置がない特養では、看取りに取り組むためには嘱託医との密な連携が必要です。
ある施設では、心身の状態が衰えてきた入所者については、介護職、看護職が把握した情報を嘱託医に報告するようにし、「看取り期」に入ったことを医師が判断します。その判断基準は、「おおむね、食事や水分の摂取がほとんどできない状態である」とのこと。


その後、医師の判断を踏まえ、医師、入所者の家族、介護職、看護職、生活相談員等で看取りの場について話し合います。そして、家族の同意のもと、特養で看取っていくことが決まった場合は、看取りに向けたカンファレンスが行われます。

別のある施設では、食事が摂れなくなってきた入所者については、無理な食事介助、経管栄養等は行わないといいます。本人の状態を見ながら、食べられるだけの食事、飲めるだけの水分を摂ってもらう。そうして徐々に枯れるように命の終わりに近づいていくのだそうです。

 

 

入所期間が長い利用者は施設で看取る傾向

ある調査によれば、施設内で看取られる入所者は、高齢で、入所期間が長く、要介護度、寝たきり度、認知症の程度が重い傾向があるのだそうです。


入所期間が長い入所者に対しては、ケアをしてきた介護職との間に愛着が形成され、最期まで見守りたいという思いを抱きやすくなります。入所者本人にとっても、長く暮らしてきた生活の場でそのまま最期を迎えるのは、自然なこととも言えます。

 

本来、看取りの場は本人が選ぶことが望ましいものです。しかし、実際には、家族が決める場合がほとんどです。
家族に、最期まで施設に託したいと思ってもらえる信頼関係を築く。大切な人がだんだんと最期に近づいていく家族の思いに寄り添っていく。そして、穏やかに看取っていく介護スキルを身につける。
そんなことができる施設では、今後、看取りがさらに増えていきそうです。

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