栃木県は介護人材の定着を促すため、介護事業者を人材育成の取り組みや働きやすさなどでランク付けする認証・評価制度を2018年度から導入します。介護サービスへの需要は高いものの、中小零細事業者を中心にキャリアアップや昇給などの仕組みが整わず人材が流出しています。認証・評価を通じて就業希望者が事業者を選びやすくし、事業者の質の底上げも急がれるところです。

本記事で取り上げられている新制度は、18年度から本格的に運用される予定です。県内で介護サービスを手掛ける社会福祉法人やNPO法人、企業など約600事業者が対象となっています。認証・評価を得た事業者は採用活動でＰＲでき、学生らは就職先選びの目安のひとつとして利用できるといったメリットがあります。

ランク付けは3段階で、事業者が認証・評価への参加を宣言すれば一つ星を与えます。その上で①新規採用者の育成、②キャリアパスと介護人材の育成、③ワークライフバランスの実現、④地域交流の計4項目を2～3つ満たせば二つ星、全て満たせば三つ星へと引きあがるものとなっています。

具体的には①が新規採用者の研修や教育担当者の配置、②が資格取得支援や給与体系の導入、③が育児などの仕事の両立や健康管理、④がボランティアや学生の受け入れを実施しているかなどから評価します。介護業界は人材育成の仕組みの未整備のほか低賃金や重労働からも敬遠され、年間の離職率は2割近くと人手不足が慢性化しています。こうした取り組みが全国的にも広がっていくことで、介護業界の離職率を改善させることができ、介護業界の就労人口は増加していくと予測されます。